気になる症状と脳の病気
脳や病気に関する不安、なかなか人に話せない悩みなどはございませんか?
全身の神経が集中する脳は、人の生命活動において、心臓と並ぶ最重要器官といえます。
心臓は人の生命活動に血液に必要な栄養分を乗せて全身に送り届ける役目を持っているのに対し、脳はその人の人格や感情など、「知性」に深く関わりながら無意識下で、全身の運動や代謝のコントロールを行なう中枢部としての役目を担っています。
そのため、脳の病気というのは、脳そのものだけではなく、からだの他の部位にも大きな影響を及ぼすこととなります。
脳の病気は、早期発見がとても大切です。
発見が遅れると、治療後も麻痺などの後遺症が残ったり、生命を脅かすようなことになりかねません。
身体に異変を感じるようなことがあれば、早めにお越しください。
食事や生活習慣の改善で、脳の病気を予防できることもあるのです。
高血圧 脳神経外科で高血圧の治療?
高血圧は身近でありふれた病気です。しかも、ほとんどの場合は自覚症状を伴いません。治療しなくても当面は何も困りはしないものです。
しかし、そこが怖いところなのです。高血圧は動脈硬化を引き起こして将来的に脳や心臓に病気を引き起こします。脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症などです。
もちろん、それ以外にも腎疾患や下肢の動脈閉塞などの病気も起こし得ます。でも高血圧がメインにターゲットとするのは脳と心臓なのです。
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血予防のために高血圧の治療は必須です。
高血圧が長く続くと脳の白質という部分が徐々に阻害されて、脳血管性痴呆を生じることもあります。当院では脳を守るといった目的を持って、高血圧治療を日々行っています。高血圧が与える脳へのダメージを指標としながら治療を進めていきます。
一昔前に比べて、寿命は本当に延びて長生きの時代です。以前は致死的な脳出血が多かったのですが、高血圧治療が普及したため重症脳出血の患者さんは減っています。その代わり、高齢な方の脳梗塞が増えています。脳の病気は生活の自由を奪う一番の原因です。長生きの時代ですから、できるだけ元気で生活を楽しみたいものです。
高脂血症 血液中の脂質の増え過ぎに注意
高脂血症は、血液中の脂質、「コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセリドなど)」が、多過ぎることで発症する病気のことです。
血液中には「コレステロール」、「中性脂肪」の他にも、「リン脂質」、「遊離脂肪酸」の4種類の脂質があり、血液中の脂肪が異常に増加しても、痛くもかゆくもないのです。
普通は自覚症状がなく、「あなたは高脂血症です」と診断されても病気の意識が薄いためにそのまま放置してしまう人がおられます。
では、放置したままだとどうなるのか?
脂質が増加することで、どんどん血管の内側にたまっていくことで「動脈硬化」になってしまいます。ところが、動脈硬化になっても、まだ自覚症状がないのです。
そのまま増加し続けると、「心筋梗塞」や「脳梗塞」の発作を起こし、その時になって高脂血症の重大さに気づくというわけです。
血液中の4種類の脂質のうち、多過ぎると問題になってくるのが、「コレステロール」と「中性脂肪」です。
高脂血症には、
- (1)コレステロールのみが多い高コレステロール血症
- (2)中性脂肪のみが多い高中性脂肪血症
- (3)両方とも多い高コレステロール高中性脂肪血症
の3つがあります。
血液中の総コレステロール、特に「LDLコレステロール」いわゆる「悪玉コレステロール」が多過ぎると、動脈の壁に付着し動脈が厚く硬くなっていきます。高コレステロールであることは、動脈硬化になる大きな問題となります。
中性脂肪は、動脈硬化の直接の原因にはなりませんが、中性脂肪が多いと、「HDLコレステロール」いわゆる「善玉コレステロール」が減り、「LDLコレステロール(悪玉)」が増えやすくなります。間接的に動脈硬化の原因となります。
どのタイプかによって治療も違ってきますのでどのタイプかを、きちんと診断し、指導や治療を行う必要があります。
糖尿病 糖尿病になるとどうなる?
糖尿病というと、皆さんはどのようにイメージされるでしょうか。
糖尿病という名前をそのまま解釈すると、尿に糖分が混じっている病気となります。医学を勉強する前は尿に糖が混じって何で悪いんだ?と疑問に思っていました。医師になってさまざまな経験を積んで思うことは、糖尿病は恐ろしいということです。
糖尿病はあらゆる臓器障害を引き起こします。成人以後の失明の原因1位、透析の原因の1位。また閉塞性動脈硬化症を起こして下肢切断や脳梗塞の原因となります。
糖尿病は治療可能です。食事療法、運動療法が基本として、場合によって内服治療、インスリン治療を行います。大概の患者さんでは良好な治療結果が得られます。
当院でも糖尿病の患者さんは多数通院されております。皆さん、真面目に治療に取り組んでおられて経過は順調です。何故かと言うと、自分の能力でカバーできる病状しか治療していないからです。自分の能力ではカバーしきれないと判断したときには迷わず専門の先生にお願いしています。患者離れのいい医者は良い医者だと思います。
糖尿病があると脳の血管に狭いところができたり、いつのまにか脳梗塞ができていたりするので、脳の検査を行った方が望ましいと思います。実際、糖尿病専門の先生から脳の検査目的でご紹介を受けることも多いです。それぞれの専門分野を相互に生かしながら、患者さんの治療を行っていけたらと思っています。