「ひょっとして、
脳の病気かも?」
頭痛が起こったりすると不安になりますよね。そのほかにも、めまい、しびれなども脳の病気に対する不安を駆り立てます。
その気持ち、よくわかります。私自身、今述べたすべての症状を経験していますし、めまいとしびれが一緒に起きたときなどは気が気でありませんでした。MRI検査を受けてみましたが、それは非常に勇気を要しました。幸い異常はなく一安心でした。安心したことが大きな要因かどうかは不明ですが、症状はそのうち消えてしまいました。
当院を受診される頭痛、めまい、しびれなどの患者さんのほとんどは脳に異常所見がなく、症状は一時的なものであります。でも少数ですが、脳腫瘍や脳梗塞などの重篤な病気の方々がいます。当院は外来のみの診療所ですから、意識がないとか手足が麻痺しているなど重篤な症状の患者さんは来院されません。そのような方は救急車で病院に行かれます。
症状が軽いからといって軽視していいものではないのです。脳梗塞、脳腫瘍、くも膜下出血など聞いただけでも恐ろしい病気ですが、これらの病気の人々は軽い症状の人ほど治療に気合が入ります。要するに軽いうちに対応して悪化を防げる可能性があるからです。治療介入の余地が大きいのです。神経細胞は増えることができませんので、死んでしまえばそのままです。 もちろん、予備機能の部分がありますので、脳の病気になっても回復する余地はありますが、損傷の程度が強ければ、回復の可能性も少なくなります。悪化予防が大事です。
救急車で病院に行くほどではない症状の患者さんにどんどん受診してもらいたいと思います。 脳の疾患を的確に診断し、信頼できる病院に紹介し、悪化予防の治療を受けてもらいたい。脳の疾患がない人には安心してもらいたい。それが外来のやりがいだと思っています。